リクナビが内定辞退率を企業に販売していたことの功罪を斬る!

リクナビが内定辞退を予測して販売していたサービスを廃止に

今朝、リクナビを運営するリクルートキャリアが学生の内定辞退率を予測して企業に販売していたサービスを2019年7月末で『廃止』するというニュースが流れてきました。

無断でデータを使用された学生数は7983人に上った。問題となったのは「リクナビDMPフォロー」。内定辞退者のサイト内の閲覧履歴を基に、就活学生の内定辞退率を分析した。昨年3月から38社に販売していたが、政府の第三者機関から「学生への説明が不十分だ」との指摘があり、7月末で販売を一時休止した。
JIJI.COM リクナビ、「内定辞退率」サービス廃止=同意得ずにデータ分析・販売

ポイントは、『サービスを廃止』ということですが、いずれ形を変えて再開される可能性はあると思います。

面接を受けに来た学生さんの内定辞退率をAIで予測して販売していたとのことですが、どういう用途で使うのかは明白です。

問題となったのは、同社の「リクナビDMPフォロー」というサービス。リクナビ登録時の学生の同意を踏まえ、サイト上の行動履歴などをAIで解析・予測し、結果を2018年3月から38社に販売していた。合否判定にデータを活用しないことを確約した企業だけに提供していたという。
JIJI.COM リクナビ、内定辞退をAIで予測・販売=就活生への説明不足

はい。
ここ注目してくださいね。

『合否判定にデータを活用しないことを確約した企業だけに提供していた』

いやいやいや(笑)
絶対に合否判定に使うでしょう(笑)

合否判定、つまり内定を出すか出さないかの判定に使わないならいったい何のために購入するのか意味が分からない。

内定辞退率の予測データを企業に渡されると学生にとってはめっちゃ不利になる!

選択
私も転職を3回した上に、人事をしてたから分かりますよ。
内定辞退率の予測データを購入する企業は、入社してくれる人にだけ内定を出したいからに決まってます。

学生さんも考えてみてください。
大学と同じように会社も、第一希望、第二希望、第三希望とかランクをつけてませんか?

『滑り止め』のつもりでとりあえず内定はいっぱい取っておこうという気持ちは絶対にあるはずです。

全然悪いことじゃありません。
むしろ、積極的にたくさんの企業から内定を取りましょう。

内定をとれるということは、あなたの実力であり、これまでの努力の賜物です。
内定をたくさん取れれば、あなたは『会社に就職できる』だけでなく、『会社を選べる』んです。

この、
『会社に就職できる』

『会社を選べる』
かは、天と地ほども違います。

できれば最初に保険として滑り止めの会社から内定を得ていれば、希望する会社が少々ハードルが高くてもチャレンジできますよね。

自分には無理だろうと思っていた会社から内定を採れれば万々歳です。
短い人生で、特に貴重な20代を働きたいと希望する会社で働けることはそれだけで幸せですし、勝ち組です。

だから、これからも後で迷うぐらいにガンガン内定を取りましょう。

でも、私は企業側の立場も経験してますので、よく分かりますが、企業の発想はまったく逆です。

採用難の企業側としても内定辞退は極力ゼロにしたい!

内定辞退されてショックを受ける人事
今、優秀な新卒の学生を獲得するのがどれだけ大変か。。
厳密には、それは一部上場企業のブランドのある会社は全然そんなことありません。

大手の広告代理店(電通、博報堂)、大手銀行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)、大手メーカー、大手IT企業(ソフトバンク、楽天など)は放っておいても優秀な学生が集まります。

ところが、そういった有名な会社以外は軒並み採用できません。
中小企業になると、内定を出すどころか、応募すらゼロです。

だから、応募してきてくれる学生さんがいたら、拍手喝采が起こります。

本当に恋焦がれた彼氏、彼女に逢うかのように舞い上がる気持ちを抑えて面接に望みます。
それぐらい応募してくれる数が少ないんです。

いざ内定を出すかどうかになると、会社で教育して伸びる人材かそうでないかは、しっかり見極めないといけません。

慎重に面接してチェックして、
よし!内定を出そう!
ぜひわが社にきてください!

そんな気持ちで内定を出すんです。
そのときの企業側の、厳密には人事の気持ちが分かりますか?

娘の結婚式を迎えた親の心境ですよ。


いよいよか~。。

なんてしみじみとしながら入社を待ちます。
そんな時にですよ。


内定を辞退させてください

この電話がどれだけ衝撃か分かりますか?

結婚式の日取り(入社日)が決まっている段階で新郎が去ってしまった感覚ですよ。
もうね。

腹立たしいというよりも、ショックなんです。


ようやく出会えて、ようやく入社日を迎えて、しっかり教育してわが社を支える人材になってもらおう!

そんな意気込みを持っているのに、全部崩壊ですよ。。
もちろん、役員や幹部からは叱責を受けます。


お前はちゃんとフォローしたのか!!

すみません。。

もう、それしか言えませんよ。

結局、今回のリクナビの内定辞退率サービスは誰が悪いの?

疑問
役員も叱責しながら分かってるんですよ。

やっぱりうちみたいな中小企業にはなかなか入社してくれる人なんていないな。
だれか良い人、紹介してくれないかな。

年頃になったのに結婚できない娘を持つ親の気持ちです。
それぐらい企業としては人材が採れないんです。

だからね。

学生さんにちゃんと告知せずに内定辞退率を販売していたのは良くないことですが、企業側も必死なんです。


なんとか内定を出す人には入社してほしい!。

そんな本気の想いなんです。

内定っていうのは、男女の仲で言うなら『プロポーズ』みたいなもんです。
それに対して、学生さんからの内定承諾は『結婚OKの返事』なんです。

後で婚約破棄してくると分かってるならプロポーズしませんよね。
だから、先にちゃんと結婚OKしてくれて、結婚してくれる人にだけ内定を出したいんです。

さもないと、ショックがデカイんです。
内定を出す前ならまだ、企業側としても気持ちは高まっていませんから全然耐えられます。
(※もちろんそれでもショックですが。。)

でも、内定を出した後のショックに比べれば全然マシです。

しかも内定に至るまでに
募集、書類選考、面接、内定通知といろいろと時間もお金もかかってるわけですよ。

内定を出したら受け入れの準備で机を用意したり、社内に告知したり、制服をオーダーしたりと次々とやることがあります。

受け入れ準備を万端に進めている時に、『ごめんなさい!』ってきたらもう呆然ですよ。

だから、内定辞退率があらかじめ分かっていたらどれだけ助かるか。
もちろん、AIが予測しているデータってことは分かってますよ。
確度も限界があるのも承知です。

それでも何も無いよりはずっとずっとマシなんです。

だからね。
今回、リクナビは企業側にとってめっちゃ役に立つサービスを行ってたと思います。
でも、やり方がまずかった。

学生さんに知られたらきっと反感を買うだろうから、あまり目立たず。。
という思いが働いたんでしょうね。

その気持ちも分かりますよ。

だって、さっき書いたとおり、学生さんはできるだけたくさん内定をほしいわけですから。

だから、このサービスはガッツリ企業側に立ったサービスだったんです。

採用難の会社なら絶対にほしい情報です。
でも、内定をたくさんほしい学生さんからしたら絶対に出してほしくない情報です。

だから、難しい問題なんです。

私がもう一度、転職するとなったら私の内定辞退率なんて絶対に知られたくないですよ。
でも、今、私が採用する立場なら絶対にほしいです(笑)

何が正しいかって立場によって変わります。

今回は、無断でデータを使用された学生数は7983人に対しては『メールで』謝罪して、
企業には提供情報の破棄を呼びかけているというけど、まぁなんと雑な対応。。

メールでってところが最悪。
最低でも直接電話をかけるべきだろう。
企業側に対しても破棄を呼びかけても破棄するわけ無いだろう。

本当に難しい問題ですが、やっぱり結論としては、企業側がオリジナルの情報を元に内定辞退されるかどうかを判断できるだけの情報を構築していかないといけない時代なんでしょうね。

関連記事

ついに内定辞退代行サービスが登場!でも内定辞退も伝えられないってどうなの?