『厚生労働省を変えるためにすべての職員で実現させること。』の内容から官僚の仕事も楽じゃないと分かる

厚生労働省は公的ブラック企業だった

厚生労働省で令和元年8月26日、若手職員がまとめた働き方の改革を要望する提案が公開されました。

全55ページの中には、厚生労働省で働く職員の悲鳴ともとれる提案、憤懣が伝わってきます。


これが、働き方改革の旗手を担ってきた本丸の現状なのか!?信じられない!

そんな声が聞こえてきそうです。
さっそく職員の声を見てみましょう。

厚生労働省に入省して、生きながら人生の墓場に入ったとずっと思っている。(大臣官房、係長級職員)

家族を犠牲にすれば、仕事はできる。(社会・援護局、補佐級職員)

仕事自体は興味深いものが多いと思いますが、このような時間外・深夜労働が当たり前の職場環境では、なかなか、一生この仕事で頑張ろうと思うことはできないと
思います。(労働基準局、係員)

毎日いつ辞めようかと考えている。
毎日終電を超えていた日は、毎日死にたいと思った。(保険局、係長級職員)

残業することが美学(残業していないのは暇な人)という認識があり、定時に帰りづらい。
一生懸命業務時間内に業務を行っても、出来ない人の業務を押し付けられる。(労働基準局、係員)

子どもがいる女性職員が時短職員なのに毎日残業をしていたり深夜にテレワーク等をして苦労している姿をみて、自分は同じように働けないと思った。(退職者)
引用:厚生労働省を変えるためにすべての職員で実現させること。(厚生労働省)

『人生の墓場に入った』
『家族を犠牲にすれば・・』
『毎日死にたいと思った』
『残業することが美学(残業していないのは暇な人)という認識があり、』
『子どもがいる女性職員が時短職員なのに毎日残業をしていたり深夜にテレワーク等をして苦労している』

何かのみ間違えかと思うような状態がツラツラと書かれています。

一般的に厚生労働省に入省するには『国家公務員総合職(旧:国家一種)』『国家公務員一般職試験(大卒程度、高卒者)(旧:国家二種)』のいずれかに合格しなければ入れないまさにエリートの集まりです。

具体的には、総合職が「主に政策の企画立案等の高度の知識、技術又は経験を必要とする業務に従事する係員の採用試験」であり、『政策をつくる側の人の採用試験』です。
いわゆる『キャリア組』とはこちらのことですね。

それに対し、一般職は「主に事務処理等の定型的な業務に従事する係員の採用試験」であり、『政策を実施する側の人の採用試験』です。
キャリア組まではいきませんが、難易度の高い試験です。

暇ではないだろうが、高待遇で迎えられバリバリ仕事をこなすイメージがありましたが、たったこれだけの記事を見てすでにそのイメージが崩壊しつつあります。

厚生労働省での働き甲斐と業務量が悲惨すぎる

厚生労働省での働き甲斐と業務量

やりがいのある職場である 49%
自分の仕事にホコリが持てる 34%

とプラスの評価もある一方で、

仕事が心身の健康に悪影響を与える職場である 58%
職員を大事にしない職場である 45%
やめたいと思うことがある 41%
将来に希望が持てない 25%

と読んでいるだけで疲れてきそうです。

業務量についても、

非常に多い 18%
多い  47%
この2つを合算すると65%!
厚生労働省の3人に2人は業務量が多いと考えられています。

では、なぜこんな事態になっているのかを提案レポートから読み取っていきたいと思います。

厚生労働省内にはびこる無駄&旧世代の働き方

修行僧もビックリ!メモも議事録も全て手打ちという荒行

メモも議事録も全て手打ち

今の時代、音声データを自動で文字おこしするツールなんてたくさんあるのにやっぱり全部手書きだったんですね。

やろうと思えば速記者すら不要になるんじゃないかと思います。

まず、全て手作業で行う非効率さが膨大な苦行を生む1つの原因のようですね。

アニメの世界だけじゃなかった!紙による審査と無駄な待ち時間!

答弁資料審査の効率化

厚生労働省の職員がわざわざ答弁書を印刷してチェックのために並ぶという19世紀の働き方を思わせる行動が21世紀の今の時代に行われていたとは。。

実際、こんなのメールで送って受け取った側がデジタル上でチェックして赤ペンを入れてメールで返送すれば済む話では?

全て足で働け!議員に伺って時間が膨大に浪費!

オンライン議員レクの実証実験の実施

議員の先生にはちゃんと目の前に訪れて1つずつ説明をしなきゃいけないってなんでやねん!でしょ。

『議員の先生』が小学生並みにITを使えるようになるだけでどれだけ無駄な時間を削減できるのか。

メールはOKでチャットが失礼ってなぜ!?

省内チャットシステムの積極的活用

メールか電話だけっていつの時代でしょう。
チャットが失礼と言う理由も意味不明です。

オンライン通話・チャットがあれば同時並行でリアルタイムな情報のやりとりができるでしょう。
メールができるぐらいのタイピング速度なら問題なく使えるはずです。

ただし、チャットでも過去のチャット内容を編集できてしまうツールは使わないほうが良いでしょう。

働き方改革の本丸なのに人事評価が適切に行われていないというギャグ

人事評価について、職員の反応

必要な能力や習得方法について上司から必要なアドバイスをもらっていない 74%
評価結果の理由の説明を受けていない 57%

『どう評価されているのかわからない』という声もあるようです。

こうなってくると厚生労働省=コネとゴマすりだけで出世していると思われても仕方ないですね。
そうなると、がんばってる職員のモチベーションもさらに下がってしまうはずです。

人事評価・人事面談の実施

だから当たり前ですが、評価の理由と今後のアドバイスをしようというだけです。


今さら人事評価の理由とアドバイスをしようって、いつの時代ですか!?厚生労働省って30年以上時間が遅れてませんか?

まったく同感です。

ゴマすり&世渡り上手が出世する!?

C評価以下の基準の明確化・厳格化 ハラスメント対策

もう、笑いが止まりません。
いや、笑ってはいけないのでしょうが、働き方改革の本丸がハラスメント(セクハラ、パワハラ)に対してこれだけ甘い対応をしているなら、そりゃ日本全体も変わるわけ無いでしょうと変に納得しちゃいます。

ハラスメントを受けたのが46%というのも驚きですが、ハラスメントを受けた後の『相談先が分からない 12%』、『人事上の不利益を考慮して相談せず 22%』ってダメでしょ。

ちなみにですが、このグラフの使い方おかしいですね。
22%が12%よりも小さく見えます。

資料を作りなれているはずの厚生労働省の職員の皆さんがこういったバイアスがかかるようなグラフの使い方はいけません。
この点はすぐに修正すべきですね。

タダ働きが横行!?残業代をもらえてない!

残業代い支払い実務の省内統一

残業代がもらえていないということですが、動労時間の管理がなされていないのが根本的な問題でしょうね。

おそらく一般企業に対して残業を減らせといっている本人が残業が多いと示しがつかないからと『残業をしていないことにしている』というのが本音かもしれません。

問題を隠してるだけです。
これって最悪でしょう。

強引なクールビズ、省エネで生産性が大幅低下

クール日ズで生産性が低下

クールビズでスーツを脱いで、クーラーの温度を上げて省エネを行う。
いいことですがそのために業務効率が下がるのは本末転倒です。

日本は、目的と手段が入れ替わってしまうことがよくあります。
省エネ、節電は大事ですが、そのために長時間労働して夜遅くまで電気をしようすることになったらそれこそ笑い話です。

拘牢省は紙が好き

拘牢省とは言わせない

拘束する牢屋の省と書いて拘牢省、うまいですね(笑)
どこまでも紙文化な上に作業効率が悪いと、そりゃ残業も伸びて仕事は減らないですよね。

でも、外側から見たら改善できる箇所が多すぎて一気に仕事を半減ぐらいできるんじゃないかって思ってしまいます。

人を増やそうと言う提案も入ってますが、無駄な作業が多すぎますね。
議員の対応など厚生労働省の職員だけではどうにもならない問題もあります。

でも、まずは思い切ってできるところから、変えてしまう方が問題は解決するとおもいます。

ここで人を入れて、非効率な働き方が身についたら、また変えるのが難しくなるだけです。

まぁ、ここまで見て厚生労働省というか役所は、自分で自分の首を絞めてるんじゃないかとすら思います。

公務員は安定した仕事の代表格ですが、こういったストレスが多いなら入省できるのも一概に良いこととは思えなくなってきましたが、どうですか?

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