上司から辞表を出せと言われたあの日

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『辞表を出せ』

2011年6月、4~6人ぐらいが入るほどの小さな会議室に上司から呼び出された。

40代の男性上司(以下、K氏)、その上の60代の上司(O氏)、そして私。

「なんなのだろう。」

O氏は、仕事の取り組み方、人事の評価方法を説明し始め、K氏は脇に座ったままなにも話さない。

O氏が淡々と話し続けるので、メモを取ったほうが良いのかと思い、分かりきっている内容だったが、メモを取り始めた。

O氏「今さらメモしてどうすんだ」

そう言われても、手持ち無沙汰なので、やることもないし。

そう思っていたが、口に出さずに粛々と話を聞きながらメモをし続けた。

30分ぐらい経っただろうか、ようやく話し終えたかと思うと、今度は目の前に座り、話しだした。

空気の重さだけを実感し、話している内容が頭に入ってこなかったが、その言葉だけハッキリと聞こえた。

O氏『明日、辞表を持ってきなさい』

突然の退職勧奨

私『(え、なんで、急に?)』

頭が混乱した。

O氏『俺はお前に指導できることは、もうやり尽くした。
   先日も、仕事の進め方で注意した。
   だから手順は踏んでいる。』

あまりにも急なことで、もちろん次の仕事もすぐに決まるわけでもなかった。

ただただ、混乱している中で、

明日からの生活への強烈な不安と、
「お前は役に立たない」という烙印を押された屈辱、
両親に心配をかけてしまう申しわけ無さ

が入り混じり、涙が出てきた。

でも、自分が役に立っていないことは、分かっていた。

なぜか、単調な繰り返しの仕事が苦手で、よくミスをしていた。
だから、この会社に居ても迷惑をかけてしまうだけなんだということも理解していた。

でも、私に生活があった。
急に辞めろと言われても、本当に困る。

私『後1ヶ月だけ席を置かせてくれませんか。』

そう告げた私に、O氏は淡々と告げた。

『お休みなさいよ。
 もう明日から来なくていいから。』

今でも耳に残っているこの言葉は、一生消えないだろう。

続けて、O氏は言った。

『もし、辞表を出さないなら、次の手を打つだけだ。
 夏のボーナスは出してあげるから、すぐに辞表を出しなさい。』

辞職への不安と不思議な安堵

頭の中では、2人の人格が言い争っていた。

1人は、将来への不安と屈辱

もう1人は、もうこの会社に来なくていいという安堵感

気持ちとしては7:3ぐらいだろうか。

やっぱり不安と屈辱の割合が大きかったが、一面として安堵感が大きかった。

もう仕事のミスを叱責されなくていい安堵
毎週のように駆り出された、古ぼけた小さなスナックでの徹夜のアフターファイブに付き合わされることから解放される安堵

迷ったが、自分の本心を考えれば、その会社に1秒でも居たくは無かった。

その先のことが見えていたわけじゃない。

それどころか何も見えていない。

不安で不安で仕方がなかった。

また会社中の全員に『Sは仕事ができなくてクビになったらしい』と知られてしまう耐え難い屈辱。

私がこの会社に入社した時、両親は本当に喜んでくれた。
その両親を裏切ることになる申しわけ無さ。

辞表、辞表、辞表、辞表・・・

次の勤め先はすぐに見つかるのか?

それよりも今日、これから俺はどうしたらいい?

帰るのか?
晩飯まで時間がまだあるぞ。

心の何処かで現実逃避をしてしまっていたが、
すぐに現実に戻される。

私『分かりました。
  辞表は郵送で送ります。』

そう言うと、O氏は『分かった』と言って、会議室を出ていった。

自殺するなという上司

残されたのは、O氏の腰巾着のK氏と私だけだった。

K氏は、

『変なこと考えるなよ。』

と言った。

私『(変なこと??)』

一瞬、何を言っているのか分からなかったが、すぐに理解した。

『飛び降り自殺するなよ』

という意味だった。

なるほど、窓の高さは4階だ。

ギリギリ死ねる高さかもしれないな。

そう考えたが、冗談じゃない。
『こんな会社で役に立たないと言われたからといって、なんで俺が自殺しないといけないんだ。』

K氏は、退職手続きの書類を取ってくると言って、そのまま会議室を退席し、私1人が残された。

両親への申し訳無さと友人と比較した不甲斐なさ

いろいろな人の顔を思い出す。

真っ先に考えたのは、やっぱり両親だった。

大学を出るまで苦労かけたのに、正社員として1年と少しで戦力外通告を受けた申し訳無さ

大手上場企業に努めている友人と比較した自分の不甲斐なさ

『俺は役立たずなのか。。』

その思いが、私の自尊心を徹底的に打ちのめした。

『役立たず』
『能無し』
『給料ドロボウ』

もう自分は他の会社で勤めることはできないんじゃないか。

考えれば考えるほど、将来への不安のループに陥っていった。

K氏が戻ってきて、退職手続きについて話し始めた。

私は人事にいたのでその程度の流れは知っている。

まぁ、聞いておこう。

要は、『解雇じゃなくて、依願退職』という形にしないといけないということも分かっていた。

労働組合が強い会社だったので、労働組合に相談を持ちかけたら、ひょっとしたら私のクビはつながったのかもしれない。

でも、この会社に10年以上在籍している自分のイメージが湧かなかった。

もし辞表を出さず、退職しないという選択があったなら

10年後、20年後、私はどのような働き方をしているのか?

K氏みたいになっているのか?

それだけは嫌だ。

そんな思いがあったので、労働組合に相談したいという気持ちも湧かなかった。

ひょっとしたら、私は楽な方へ逃げたのかもしれない。

この会社に居続けて、叱責される屈辱から逃げたのかもしれない。

将来を真剣に考えることへの不安から逃げたのかもしれない。

なにくそ!と歯を食いしばって頑張るという道もあったのかもしれない。

でも、私にはやっぱり自分がこの会社で活躍している姿が想像できなかった。

この会社の他の社員とうまくやっていける自信もなかった。

私のように会社内で将来が見えず悩んでいる人は意外と多いんじゃないか?

実際に転職して今の職に就いてから、採用面接を行う立場になってその疑問は確信に変わった。

皆、カッコいいことを言って転職してるけど、本音を言えば、会社内で居場所を失っていたのだ。

今だからこそ堂々と言える。

居場所がなくなった会社にしがみついて飼い殺しにされるよりも、外を見よう!と。

日本には200万社以上の会社がある。

あなたが活き活きと活躍できる仕事は絶対にあるはずだ。
それが、天職だ。

あなたの職業人生は残り何年か考えてみたことはあるか?

20代なら残り40年以上もある。
居場所がなくなった会社で生活のためだけに、息を止めて平日を過ごし、土日を生きがいに生きるような人生を送りたいか?

人は経験したことが無いできごとには恐怖と不安が期待を上回る。
でも、転職を3回行って、人事として採用する立場にある私の経験を言わせてもらえば、天職は苦しんだ人ほど見つかることは確実だ。

まずはこの記事を読んで考えてほしい。

自分がこの世に生まれてきた理由や意味を知りたいか? 人は誰でもある程度の年齢になると思います。 『なぜ自分はこの世に生まれてきたのだろう...

あなたを不要と言って切り捨てる会社にしがみついて生きるよりも、あなたを認めてくれる会社に移ろう。

不要な人間、ダメな人間と陰口を叩かれながら会社にしがみついていたら、自分への自信が無くなって、本当にダメな人間になってしまう。

あなたがどういう人間になりたいかは、あなたが自分をどうイメージするかで決まる。

でも、そうはいってもいきなり退職して転職活動するのはおすすめしない。
準備をしよう。

3か月後だ。

3か月後に辞めよう。

そのために天職を見つけられるよう動き出そう。
まずは無料であなたの天職を見つける手伝いとアドバイスをくれるサービスに登録しよう。

それが転職エージェントだ。

あなたを不要と言って切り捨てようとする会社からお金をもらいながら新しい仕事を探すのだ。
真面目な人ほど律義に考えて退職しようとするが、あなたを切り捨てようとする会社に義理立てなんかする必要はない。

そして内定を取れて、退職する2週間前に辞表をだしてやれ。
それが、会社への復讐だ。

だから、まずは転職の情報を無料でくれてアドバイスもくれるリクルートエージェントに今すぐ登録だけしておこう。

それだけでもかなり気は楽になる。

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