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不動産営業に対しての世間のイメージは最悪
高級時計に派手なスーツとYシャツ、あごひげで色黒な男。
強引に物件を勧めてくる割りに、本当の情報はほとんど伝えてこない。
せっかく買った物件に瑕疵があっても売主ばかり守ってぜんぜん買主を守ろうとしない。
だから、新築を買うときも、賃貸で借りる時も、心のガードはしっかりとかまえないといけない。
これが不動産営業に対しての世間一般のイメージです。
とにかく、ガツガツ、ギラギラしてる感じです。
私も実際にマンションを探す時は、物件調査の前にまずは、『まともな不動産仲介会社』を探したぐらいです(笑)
でも、それだけ世間でマイナスのイメージを持たれている不動産営業ですが、中にいるともっと大変だと分かります。
実際に、税理士事務所に勤務していたころに不動産仲介会社が顧問先でいたんですが、よく愚痴を聞かされてましたし、厳しい勤務実態はよく分かってました^^;
まずは、なんで不動産営業がキツイのかを紹介したいと思います。
不動産営業がキツイと言われる7つの理由
土日のポスティングは当然
不動産営業は、会社に来たお客さんに物件を紹介するだけって思ってる人がいますけど、そんなわけ無いですよ(笑)
よく考えてください。
毎日、特に月曜の朝に賃貸不動産、一戸建て住宅のチラシがポストに入ってますよね。
何も気にせずポイッと捨ててると思います。
でも、あれは毎週、土日に不動産営業の新人が各住宅を回ってるんですよ。
あれでも効果あるのかといわれると、反応率はおよそ0.2~0.01%ぐらいです。
つまり、500枚出して1回から10,000枚出して1回反応があるかどうかというところです。
それでも、チラシを毎週配ると少しずつ社名も覚えてもらえるから直接の問い合わせも増えていくんです。
ただ、平日はふつーに働いて土日はポスティングってめっちゃキツイですよ。
それが、梅雨時や真夏なんて最悪です。
汗だくになりながら、全身真っ黒に日焼けします。
だから、不動産営業の人が日焼けしてるのは、海で遊んでるからってわけじゃないんですよ。
数字が全てでノルマが厳しい
不動産営業は、数字が全てです。
いいですか。
数字だけでしかあなたの価値を判断しません。
不動産の売買、賃貸、なんでもいいんです。
とにかく仲介料を稼いでこないと、営業マンの存在価値はありません。
ノルマ未達=無価値です。
ほんとうにそんな扱いを受けます。
どんな扱いかを紹介します。
罵声と灰皿が飛んでくるパワハラ体質
ノルマ未達の可能性が濃厚な時、
あと1週間だぞ!
どうするつもりだ!
注文が取れるまで電話をかけまくれ!
ノルマ未達が決まった時は最悪です。
部長、課長などの上司の席に呼ばれると、罵声を浴びせられます。
『お前はクズなのか!』
『この給料泥棒が!』
ヒートアップすると、最後には灰皿が飛んできます。
中小零細の不動産営業だけの話じゃないですよ。
大手不動産と言われる会社でもよくあるらしいです。
実際に、関西の某大手不動産会社S社では、灰皿を投げつけられたと言う営業マンがいます。
なんでこんなにパワハラが横行しているのか、それには理由があるんです。
根性の世界なので人材を使い捨てにされる
不動産営業は、営業トークなどのスキルも大事ですしお客さんの質も大事です。
でも、それよりも『量』です。
圧倒的な数のチラシを配って、何千本もの電話をかけることでお客さんを捕まえる、いわば数をこなせるかどうかが全てです。
結局は量をこなせる人がノルマを達成しやすいのは紛れも無い事実です。
量をこなす中で質の良いお客さんの見分け方が分かってきて、営業トークのスキルも身につきます。
だから、特別な資格が必要というわけではないんです。
もちろん、店舗ごとに1人の宅地建物取引士が必要ですが、それは1人いれば足ります。
営業マンが宅地建物取引士の資格は不要です。
だから、お客さんを捕まえられるなら誰でもいいんです。
あきらめない根性のある人なら誰でもできてしまうので取替えが可能なんです。
だから、営業マンの給料はめちゃくちゃ大きな差がつきます。
不動産営業の給料は歩合制で不安定
不動産営業は住宅ローンが組めないほど不安定なんです。
不動産を売ってる営業マンが、住宅ローンを組めないってギャグみたいですよね。
でも、本当なんです。
なんでかというと、不安定だからです。
もちろん、営業マンのヒーローになれば月収100万は軽く超えます。
でも、最高月収が高い会社ほど、ほとんどが歩合制です。
だから、基本給がめちゃくちゃ少ないんです。
あるときは月収100万円で別の月は20万円なんてのもよくあります。
もちろん、新人は月収20万前後なんて珍しくもありません。
その横でベテランの営業マンは月収100万円以上稼ぐことはザラにあります。
繁忙期は終電で帰れないのも当然
繁忙期は終電で帰れないのは当然によくあります。
就職、転職、入学などの引っ越しの多い、2月から4月、お盆から9月までは、激務になりやすい時期です。
気が付いたら終電逃してたなんて珍しい話ではありません。
私の顧問先の不動産会社は、会議室が仮眠室になって、営業マンさんが良く寝てましたから(笑)
繁忙期だろうとチラシ配りやポスティングは手を抜くわけにはいきません。
日常業務をこなしながら仲介業を行わないといけないので、体力的にはもうクタクタです。
お客さんに真実を話せない
ノルマを達成するために売らないといけない。
売らないと生活ができない。
だから、営業マンは『売ることガ全て』という発想に陥ってしまいます。
結果、精神的にキツくなるのが『真実を話せない』という点です。
不動産の営業マンは『売る』ことについてマイナスになる情報は、基本的にお客さんには伝えません。
だって売れないと自分の生活が成り立ちませんから。
だから、告知義務が無くなった過去の事故物件や商業地域に指定されていて夜が騒がしいという情報があってもあえてふれません。
不動産については、お客さんと不動産会社では圧倒的な情報の格差があります。
だから、お客さんは営業マンの話を鵜呑みにしがちです。
結果的に売れるんですが、それが次のトラブルにつながります。
クレームが発生しやすい
不動産営業は、基本的に売ったらサヨナラです。
でも、お客さんからすると、買ってからがスタートです。
だから、住宅に瑕疵があったり、近隣の音などがあるとすぐにクレームになります。
もちろん、告知義務さえちゃんと伝えていれば不動産会社がクレームを言われても負けることはありません。
でも、まっとうに仕事をして感謝されたいと思ってる人からすると、次々と押し寄せてくるクレームに心を病む人も出てきます。
勝てるかどうかではないんです。
お客さんに満足して喜んでもらえないという事実がキツイんです。
こんな人はすぐ辞めよう!不動産営業に向いていない人の3つの特徴
ウソをつけない白黒ハッキリさせたい性格
不動産営業は、『センミツ』という単語があります。
営業マンの話す内容には100に3つしか真実が無いという意味です。
正直に何でも話してほしいのがお客さんの立場ですが、売る側としては正直に全部話すと売れないことは分かってます。
だから、都合の良い事実だけを伝えてきます。
でも、ウソをつけない性格で正直に話さないのはストレスという白黒ハッキリさせたい性格の人は向きません。
気になる人は、『正直不動産』をぜひ読んでみましょう。
正直不動産
スーパー営業マンだった男性が、ある出来事があってからウソをつけなくなって受注が激減し、そこから回復していくストーリーです。
不動産営業の実態がよく分かります。
プレッシャーに弱い人
プレッシャーに弱い人は絶対に不動産営業になってはいけません。
不動産営業ほどプレッシャーに悩まされる仕事はありません。
毎月のノルマと上司からの未達への叱責はめっちゃきついです。
業界用語で『ぼうず』と言われている『1件も受注できない月』が3ヶ月続くと解雇されると言われています。
まさに『売れざるもの食うべからず』のめちゃくちゃプレッシャーがある業界です。
残業が絶対に嫌いな人
残業が無いなどありえません。
不動産営業は『雇用形態』が取られていますが、事実上、『委託』に近い働き方です。
『注文が取れるまで仕事は終わらない』というのが原則だと思ってください。
だから、勤務時間という考えはあってないようなものです。
残業が少ない不動産営業はあっても、残業が無い不動産営業はありません。
ちなみに、残業が少ない不動産営業は、基本給が高くなって生活が安定しやすいですが歩合制がないので、最高月収でもフツーのサラリーマン以下だと思ってください。
不動産営業に向いてる人の3つの特徴
事実を多面的に伝えられる人
ウソをつく必要は無いんです。
ただ、事実を一方通行ではなく、多面的に伝えられる人は、正直な性格でも不動産営業で生き残れます。
例えば、繁華街近くにある物件だと、
『騒がしい』
『酔っ払いがいる』
というのが事実です。
これを多面的に伝えれば、
『人の往来は多いので夜道でも暗くない』
『遅くまで開いてる飲食店が多いので残業があっても大丈夫』
となります。
事実は1つですが、伝え方は無限です。
そのことに気づきましょう。
学歴や過去の経歴のためにいい会社に勤められないけど絶対稼ぎたい人
日本では、いまだに学歴や過去の経歴で就職できるかどうか決まることがよくあります。
高卒だと勤められる会社も限られてきます。
学生時代にヤンチャをしてきた人も大手企業に勤めるのは難しいです。
でも、不動産営業なら就職できますし、いくらでも稼げます。
だから、人生をリセットしてやり直したい人にはめちゃくちゃ向いてる仕事です。
将来、不動産投資をやりたい人
今の日本は不動産バブルなので不動産投資が熱いです。
素人も手を出していますが、不動産営業に携わっている人は素人とは比較にならないほど重要な情報が見られます。
それが、よくご存知の不動産物件情報のREINS(レインズ)です。
レインズは、どの物件がいつごろ賃貸や売買に出されたのか、価格がどう変化しているのかが一目瞭然で分かります。
この情報を丹念に追跡していけば、市場の賃貸価格の波が手に取るように分かります。
もちろん、一般の素人は見れません。
こういった情報を見て不動産の波が分かれば、不動産投資に手を出しても稼ぎやすくなります。
だからこういった点を踏まえれば、不動産営業がキツイからすぐに辞めるというのは一概にはおすすめできません。
不動産営業をやってる人が気づいていないメリットは収入が青天井
フツーのサラリーマンは、会社ごとに賃金曲線があって、年齢ごとに給料がどのように上がっていくのかはあらかじめ決まっています。
それを見ると分かりますが、ほとんど大きく上昇することはありません。
実力次第で月に100万どころか200万、300万稼げることはザラにあります。
しかも副業も禁止されていないので、不動産営業を続けながらREINS(レインズ)の情報を元に不動産投資もできます。
収入源を2つ持てるという、一石二鳥のワザです。
不動産営業はどの会社に勤めるかで歩合給が大きく変わる
残業は少なめで安定した基本給の中で生活したいなら大手不動産
基本給20-35万+歩合給(仲介手数料の3-10%)
旧財閥系などの大手不動産は、世間の目があるので『ワークライフバランス』にとても関心を払っています。
そのため残業は比較的少なめに抑えられます。
しかも、優秀な人材が集めるために基本給を高めに設定しているので、安定した生活を送りやすくなっています。
ただ、やはり旧財閥系の大手不動産になると、20代の入社・転職時は学歴を見られます。
30代を過ぎると学歴よりも実績を見られますので、家族ができて安定した生活を送りたい人は大手不動産を検討してみてください。
残業はあってもいいからとにかく稼ぎたい人は歩合制の中小零細不動産
基本給10-15万+歩合給(仲介手数料の20-25%)
中小零細の不動産会社は歩合給の比率がとても高くなっています。
営業マンにそれだけインセンティブを渡さないと良い人材が来ないからというのが本音です。
その分、勤務時間という概念は薄くなっています。
受注するまで働きまくるというのが中小零細の不動産会社の特徴です。
給料は高い時と低い時で波があるので生活を安定させたい人には向きませんが、20代でガンガン稼ぎたいという人には向いています。
不動産営業が辛いから辞めるではなく、自分に合った不動産会社を見つけること
以上、紹介してきましたとおり、一口に不動産営業と言っても、同じではありません。
もし、今、勤めている不動産の会社の社風が合わないと思っているなら、まずは、自分がどのように働きたいのか、どんな生活を送りたいのかをしっかり検討しましょう。
その上で、自分にあった不動産会社を探してみることです。
不動産会社はいつも人手不足です。
今のように不動産投資の熱が沸いている時期はなおさらです。
絶対に転職しようと構えなくて良いので、まずはどんな会社があるのかをちゃんとリサーチしてみることが幸せになるポイントです。
仕事用オーダースーツの記事はこちら!
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