就活の学歴フィルターについて人事が考える5つの合理性と4つの不合理

就活の学歴フィルターの是非

今日(2018/07/08)、目についた一番の記事は『就活の学歴フィルター問題 「入試時の努力を評価すべき」は正しいか?(マネーポスト)』でした。

要約すると、次の通りです。

学歴フィルターで落とされるのは自己責任だという主張をする人は、勉強という努力をした人が評価されるのは当たり前だという考えを持っており、学歴でフィルターが無いことこそ社会的公正性に欠くという主張です。一見、説得力がありそうだが、より深く想像力を働かせてデータを見るとそうとも言えないという結論です。
経済的な格差が拡大していくという社会問題が広がり、親の年収が高い家庭ほど勉強にかけられるお金が多くなるのでその分、子供の学歴が上がりやすくなります。「平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」で明らかにされた『「世帯収入(税込年収)」と学力の関係』によれば、小学生も中学生も世帯収入が上がるほど子どもの成績が上がっています。例えば中3(数学B)では世帯収入が200万円未満の子の平均点は30.0点だが、世帯収入が1200万~1500万円の子の平均点は54.7点である。実に大きな差があります。
親の収入でここまで大きな差がでるのは残酷な現実であり、自己責任とは言い切れないという客観的なデータではないか。

2018年3月1日にも、帝京大学の学生がある会社の説明会の予約を申し込もうとしたら満席だったにもかかわらず、学歴を早稲田大学に変更すると『受付中』になったというtweetがありました。

この1件で、学生を学歴でフィルターにかけるのはフェアじゃないという声が広まり、大炎上しましたが、その主張は正しいのでしょうか?
就活を行っている学生や大学の立場で書かれた記事は多いのですが、企業として採用する人の視点は一切出てきません。
そのため、今回は実際に人を雇う企業側の意見が一切出てこないので、元人事の立場としての見解を述べたいと思います。

そもそも学歴フィルターとはなんなのか、もう一度、根本から考えてみましょう。

学歴フィルターとは?

企業側が、書類選考前から学生が在籍している大学によってランク付けを行い、一定のランクの大学以上でないと面接に進めないどころか、会社説明会の予約受け付けができないので応募すらできないこと

偏差値が低い大学の学生は応募ができず、偏差値の高い大学の学生は応募ができるという区分がなされているのでフィルターという言葉が使われています。

では、学歴のフィルターの大まかな区分を見てみましょう。

学歴の強い大学のランキングの一覧

東大・京大>早慶上智>MARCH≧関関同立>日東駒専≧産近甲龍≧その他

日本の大学の頂点に位置する東大・京大は学歴フィルターにかかることのない最強の大学と言えます。
日本国内にある会社で東大・京大の学生が応募できない会社はほぼゼロと言えます。

その次に早慶上智が来ます。
名前は明かせませんが某外資系コンサルティング会社だと、最低でも早慶上智以上でないと学歴フィルターのために応募すらできないというのを直接聞きました。

その後にMARCH、関関同立が続きます。
MARCH(明治大学、青山大学、立教大学、中央大学、法政大学)と関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)です。
日本のナショナル企業ならこのクラスの大学以上ならほぼ問題なく応募できます。

ただ日東駒専以下の大学からフィルターにかかる大学がグッと増えてきます。
日東駒専の名誉のために言っておきますが、決して偏差値の低い大学ではありません。

平均以上であることは間違いないのです。
ただ、学歴フィルターにかかりだす基準となるのがこのラインです。

そして、偏差値が低くなればなるほど学歴フィルターはより厳しくなります。

企業の人事部が考える学歴フィルターの5つの合理性

1、基礎学力が高いことの証明

企業としての意見を冷静に言えば、

『優秀な人材が欲しい』

というただそれだけなんです。
確かに結果として親の収入によって、勉強ができる人とできない人が分かれてしまうというのは事実としてあるにしても、だからと言って優秀な人材とそうでない人と2人いた場合、企業としては間違いなく優秀な人材を採ります。

その優秀という基準こそ『基礎学力の高さ』です。
人事として採用に関わり、人事評価にも携わっていたので断言できますが、基礎学力が高い人は仕事の飲み込みも早い人が多いのは事実です。

そのために学歴を指標として使っています。
実際に、学歴フィルターがなかったとしても書類選考で筆記試験を解かせると、間違いなく学歴の高い層が合格する確率が圧倒的に高く、学歴の低い層は不合格になる確率は高くなります。

となると、手間を考えると最初に学歴でフィルターをかけた方がコストが安くなるのです。

2、努力できる人材であることの証明

受験勉強を楽しく取り組めたという学生はほとんどいないはずです。
なにかしら青春を犠牲にして、未来のために努力してきたはずです。

偏差値の高い大学に合格した学生は、そういった努力ができる人材であるということの証明になります。
それは決して学歴の低い学生は努力してこなかったというわけではありません。

スポーツで国体に出場した人もいれば、囲碁や将棋で全国大会に出た人もいるでしょう。
努力を評価する企業は、そういう人の場合は学歴以外にそういうスポーツなどが評価対象になります。

3、新卒の学生は学歴以外で判断できる材料が少ない

新卒の学生は、仕事をしたことが無いので、『仕事の実績』や『仕事のスキル』を見ることはできません。
そのため、どうしても『優秀かどうか』を判断する基準は、『学歴』が一番使いやすいのです。
しかし、2番でも述べた通り、勉強以外に頑張ったものがある人は、スポーツなども評価対象になります。

だからTOEICや誰もが分かる有名で難易度の高い資格を取得しているなら、判断する材料ができるので学歴よりも評価される可能性は非常に高くなります。

4、高学歴な人ほど優秀な人が多いという過去の経験

人事として大学の偏差値別にその後のキャリアを人事評価で調べていくと明確にわかるのですが、大学の偏差値と仕事で結果を出せる優秀な人材かどうかには明確な相関関係があります。

つまり卒業した大学の偏差値が高い人ほど、仕事ができる人材である確率が高い傾向が見られます。
残念ながらこれは事実です。

だからどの企業も創業時は、偏差値の低い人材でも採用し、社内で基礎的な教育から教育し、仕事ができる人材に育てようと頑張りますが、規模が大きくなってくると偏差値の高い優秀な大学を卒業した人材を積極的に採用して、いきなり実践的な内容の教育を行おうとします。

そうすると教育のコストが下がり、費用対効果の高い教育ができ、企業の成長が加速するためです。

5、応募が多すぎると書類選考だけで時間がかかりすぎる

一方、採用する側として、書類選考を何千通も見てきた者の経験を言えば、応募が多い人気のある有名な会社の場合、新卒の学生のすべての応募を受け付けると書類選考だけで何万通も届きます。

ハッキリ言ってそんなにたくさんの書類を見て判断するのも非常に手間なんです。
だから、学歴フィルターを設置すれば、多少は優秀な人材の取りこぼしはあることを覚悟すれば、書類選考にかかる時間を大幅に削減することができます。

正直言って、これはとっても助かるんです。

だから、以上の5点の理由で

企業の人事部が考える学歴フィルターの4つの不合理性

ただ、企業の人事部としても学歴フィルターに100%賛成かと言えば、そういうわけではありません。

1、学歴の高さ=仕事ができる、とは限らない

学歴が高い人ほど仕事ができる人が多いと書きましたが、すべてではないということは明言しておきます。
ただ受験勉強だけができる人だったというのは、よくあります。

受験勉強は非常によくできるのに、仕事となるとできない人材というのもよく見てきました。
受験勉強は正しい解答を導く能力を繰り返し問題を解くことで身に着けた人材ですが、仕事で必要なのは課題を自ら設定し自ら解決できる能力です。

それが欠けている人はいます。
また、今話題の『発達障害』の人も受験勉強ではあまり目立たなくても、ミスが許されない仕事になると急に目立ちだして大人になってから評価が低くなります。

2、勉強だけできて協調性のない人もいる

勉強が得意な人は、学生時代にずっと勉強だけ行っていたため、協調性のない人がいます。
そのため上司への報連相ができなかったり、同僚とうまくなじめなかったりする人もいます。

それは学歴の高さだけでは分からない内面的な問題です。
いわゆる、IQは高くても、EQ(こころの知能指数)が低い人です。

これはある程度は、性格診断で分かりますが、実際のところは採用してからでないと判別しづらいのが特徴です。

3、失敗することを何よりも恐れる

学歴の高い人は、正解を出すことに長けている人なので、逆に言えば失敗を極度に恐れる人たちです。
そのため、チャレンジしようとせず、安定に走る傾向があります。

だから、学歴の高い人に仕事を任せると卒なくこなすのですが、アッとどろくようなアイデアが出てきたりすごい結果がでることが少ないという難点もあります。

4、陰湿ないじめを行う人もいる

学歴の高い人はいじめを行わないと思われがちですが、真逆なんです。

学歴の高い人は、他人にバレない陰湿ないじめを行う人が多いので、表に出ないだけでじつは人間関係のトラブルを超す人もかなりいます。

こういった側面は学歴では読めません。

就活と学歴フィルターのまとめ

就活する学生にとって学歴フィルターはメリットに働くこともあればデメリットに働くこともあります。
自分の努力ではどうしようもないことで差が付くこともあります。

ただ、効率的に採用を行いたいという企業側にとっては、学歴フィルターはやはり使い勝手が良いのは事実なんです。

だから、学歴フィルターで損をしたという人はあきらめましょう。
というわけではありません!

学歴が力を発揮できるのは、『新卒』の時だけです。
『第二新卒』と『転職』からは学歴はほぼ無関係です。

だから、やりたい仕事があって新卒の就活の時にフィルターにかかって涙をのんだ人はあきらめる必要はありません。
第二新卒と転職で挽回できます。

そのために入社後に仕事を頑張って結果を出していきましょう。
なお、その後の転職は1人でやるべきではありません。

今の時代の転職はエージェントを使うことが一般的です。
逆に言えば、転職エージェントを使わずに転職活動を行えば、それだけで1歩も2歩も遅れてしまいます。

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